「風になりたい」60代は第2思春期

人生カウントアップ!さていくつまで数えられるか!?

ショリコの庭

ローンを組み、家を建てて、もう20年以上になる。あの頃は、家の周囲は、夏になると雑草が蔓延り、秋になると、虫の音の競演。団地とはいえ、のどかなものだった。時の流れとともに、ぎっしりと家が立ち並び、ベランダから見える風景もすっかり変わってしまった。

周りの家の皆さんは、まだお若く、最近の住宅団地にありがちな高齢化の波はまだそれほど感じずにいる。

でも、20年ってあっという間だねぇ、本当に…

 

私の年代は戦後20年とか25年と言われるときに、物心がついたが、あの頃の大人世代の思いは、今の私たち以上に、あっという間の激動の時代だったのだなと改めて思われる。コロナ禍の中、相次いで旅立った両親の、出会った頃の写真、そして、自分たちの写真を並べて見ていると、あの頃の自分たちは、随分頼りないものの見えていただろうなと、今更ながら、苦笑いをしてしまった。

 

それにしても、私達も自分たちなりに頑張ってきたと思う。二人して、脇目も振らずに仕事してたっけ…ゆっくり寛ぐ時間もなく、同時に腰を据えて意見をぶつけ合い、喧嘩をすることもなかった…

お互い向かい合って、その顔を見る…たぶん思っていることは、同じだと思う。あえて口にはしないが、「随分、老けたねぇ」

気持ちは20年前のまま、時を止めていたが、改めて鏡を覗き込むと、人生の夏の終わりを感じずにはいられない。

時を巻き戻そう…20年前…我が家の庭には、何もなかった。その代わり、この先、この庭をどうしていこうか、楽しみもあった…そんな折、近くの運動公園で、植木市が開催されていて、春先に小さな黄色の花を咲かせるショリコに目が止まった。本音をいうと、私の財布の中身でも買える値段だった。早速私は、このショリコを、庭に迎えることにした。以来、このショリコは、長い冬が終わり、春がきたことを水仙の芽吹とともに教えてくれている。

先日、このショリコの脇に作るつもりでいたガーデンテラスを20年の時を経て、ようやく完成させた。遅まきながら、少しずつこのショリコの庭に手を入れていきましょうか…