「風になりたい」60代は第2思春期

人生カウントアップ!さていくつまで数えられるか!?

「死にがいを求めて生きているの」完読

「えっ、なんで朝井リョウ、読んでんの?」
うちの女子から、突っ込まれた…
キッチンに置きっぱなしにしてしまってた…
「まっ、ボケ防止…ちょっと、若もんのエキスを吸い取ろうと…」
「ㇸぇ~…」
どうやら、平成世代から見ると、この歳で読んでると、怪しまれるほど、世代ギャップがあるらしい…が、読んでると、それ程の違和感はなく、小説の中では、今も昔も、自分の生存意義について、真剣すぎるほど思い悩み、一生懸命、生きている…ただ、我々の世代では、おそらく主人公として、時代に揉まれながら、様々な困難を乗り越えていったであろう人物が、いっこうに光を放たない…対象を変えながら、光るかと思えば消えを、繰り返していく…そんな人物にやがて嫌気が差してくる…そうまでして、摩擦を生み出してでも人生、輝かんといけんもんかね…などと、ため息さえ出てくる…
途中、これは何が表現したいのかねぇ…と挫折しそうになったところで、さすが流行りの小説です…物語は一気に展開し…第一章の場面が納得させられ、そこから始まるであろう新たな展開を想像させて、一気に読み上げてしまいました…
ナンバーワンよりオンリーワン」「あなたはあなたのままでいい」「生きてるだけで素晴らしい」そういう世相の中で、育った者達は、「何かとってもいいこと言ってやってる」と自己満足に浸ってる大人世代に、反駁できず、他と競い合うこともできず、逆に個の世界の中で、自分の存在意義を見出そうともがき続けることになってしまった…
競争して自分の立ち位置を確認することから、幼い頃より、遠ざけられた平成世代の悩みが、昭和世代にわかりますかと言われてるような…
でもねぇ…いくら挑んでもナンバーワンにはなれず、自爆していく、終盤出てきた昭和世代の登場人物みたいになるよりは…とも思うのだが、どうやら、それは、うちの相方がよく言ってる「問題外…」と言うことらしい…
自分なんかは、そこに人生があると思うのだが、平成世代小説は、自分の中では、あんなに存在意義について思い悩んでるくせに、反面、「問題外!」といとも残忍に切り捨てていってしまう…
まっ、それが今の世の中だってことですかね…
どの世代も、今をもがきながら生きてるんだねぇ…ジジイ世代も悩みは尽きんよ…だからこそ、生きてるって思える…そう難しく生きるなよって、言いたくなってしまった小説だった…