「風になりたい」60代は第2思春期

人生カウントアップ!さていくつまで数えられるか!?

やはり線状降水帯が降らす雨は恐ろしいですね

退職した年、西日本で線状降水帯による雨が降り続き、甚大な被害が出た。あのときの雨は尋常ではなかった。落ちてくるのは雨粒ではなく、雨の棒、いくつもの棒が絶え間なく落ちてくる。そして、その棒が地面に当たって砕けるときの音が、恐怖をそそる。あの頃は、まだ新聞配達のバイトも始めたばかりで、バイクの運転もまだどこかぎこちなかった。この雨の中、配達に出ていくのか…不安を抱えたまま車を出す。販売店に行くため、国道に出なければならないのだが、浸水のため2つある道の片方は、通行できなくなっている。後戻りして、大きく迂回してもうひとつの道を進む。道路に水は流れているが、こちらはまだ水没はしていない。水しぶきを盛大に上げなんとか国道に出ることができた。国道に出れば、浸水もなく、無事販売店に到着。みなさん黙々と配達の準備を進めていらっしゃる。私も不安を押し殺し準備を整え、配達に出る。雨は勢いを弱める様子などなく、視界を妨げる。バイクが用水沿いの道に入った。途端、道幅が倍ほどに…いや違う…用水から溢れた水が道路に流れ出しているのだ。用水とは逆の道路の端を、慎重にバイクを走らせる…こんな中みんな新聞配達してるんだ…この仕事も大変だ…つくづく感じたものである。幸い今までこの時を超える状況には出くわしてはいない。

ただ、昨日からニュースで流れてくる北陸東北の線状降水帯による豪雨の様子は、私の経験したもの以上のようだ。この豪雨の中、やはり配達に回っている方もいらっしゃるだろう。そう思ったら、4年前のあの夜の配達が、昨日のことのように思い出された。

目の前の危険に飛び込んではいけない。ここは戦場ではないのだ。無理せず安全確保!…明日も配達はあるのだ。