「風になりたい」60代は第2思春期

人生カウントアップ!さていくつまで数えられるか!?

人にとって思いを言葉にするって大切なことなんだね…

バイト帰りに聞いている「ラジオ深夜便」…今日は書家の矢野きよ美さんのお話

その中で、東日本大震災の被災地を訪ね、書道教室をされているという…

子供たちに、思いを自由に書かせる…

手のひらに筆を握らせ、立ったまま書かせる…

周りの大人たちは、子供たちが書いた”言葉”に、”なぜ”などと野暮なことを聞いてはいけない…ただそばにいて”言葉”に寄り添う…

ある男の子は、”父”と書いた…矢野さん「立派なお父さんだねぇ」

すると、男の子は「波に流されちゃったけどね」とつぶやく…

みんなが次々に”言葉”を書いていく中、突っ立ったまま何も書かない子もいる…

書きたくないなら、書かなくてもいい…周りの大人たちは、ただ見守る

だが、この子、最後の10分になって、突然”いい日になりますように”と書いたんだという…この子、立ったままずっと祈ってたんだ…

そう思ったら、緩い涙腺が、また緩んだ…

そうこうしてると、女の子が、矢野さんの手をギュッと握ってきたんだそうだ…

「どうしたの?」って聞くと、「お友達が死んじゃったの…」って…

幼稚園のバスに乗ってた時、先生が「津波が来る!」って、みんなを高いところにあげようとしてたんだけど…

この女の子、目の前で、友達が津波にのまれていったのを見てたんだ…

これ以後、この子は、言葉を失ってたってことなんだけど、この日、だれにも話せなかった目の前で、友達が津波にのまれた時のことを、話せた…

勇気を振り絞って話したこの子に、矢野さんが返した話…

もうこれ以上の返しはないだろうって思える返しだった

「そう…」「でも、お友達は、間違って天国行きの車に乗っちゃったのよ」

「みんないつかは、…天国行きのバスに乗って天国に行くの」

「私の方が、○○ちゃんより、先に天国行きのバスに乗るから、お友達に先に会えるわね」

すると、その子が、「会えるの?」って聞く…

矢野さん、「会えるよぉ」って答える

そんなやりとりの後、女の子が書いた言葉が、”みんな元気で”…だった

目の前で友達を失ったショック…フラッシュバックしてくる光景におびえ、その日から時間が止まったこの子に、「いつか会える日が来るんだ」っていう物語が与えられた

その言葉が、”みんな元気で”だった

私が会いに行くまで”みんな元気で”いてね…と言葉にした

その後、矢野さん、この子の担任の先生から、「○○ちゃんが笑ったんですよ」って、聞かされたんだそうです…

 

もう、ここまで来ると、完全に涙腺が崩壊…

なんか、涙で流さないと、現実の光景が重すぎる

その重すぎる現実から、心を解き放てるのは、やっぱり”言葉””物語”なんだよね…